私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

山田太一

山田太一 トークショー レポート・『夕暮れの時間に』(3)

小学5年生くらいで、8月15日の終戦を迎えました。戦時中に先生が、いま日本では原子爆弾というすごい兵器ができているという話をして、ぼくも興奮した。それでひとりでも多くのアメリカ人が死ねばいいと。教育のせいでもあるけど、アメリカが爆撃しに来るわ…

山田太一 トークショー レポート・『夕暮れの時間に』(2)

自分をつくった優秀な人は次の時代に合わせようとすると、自分を壊してしまう。自分をつくった人ほど、次の時代に適応するのが苦しい。こういう苦しみを味わって、『秋刀魚の味』(1962)をつくった。ぼくの老いとは関係ないけど、いろんな老いがあります。…

山田太一 トークショー レポート・『夕暮れの時間に』(1)

2013年にムック『山田太一 テレビから聴こえたアフォリズム』(河出書房新社)が刊行。その際に山田氏のエッセイ本の企画が生まれ、ムックの編集を担当した清田麻衣子氏(里山社)が中心となって進み、『夕暮れの時間に』(河出書房新社)に結実した。

山田太一講演会 “きれぎれの追憶”レポート(2)

【戦争について (2)】 最近、日本は素晴らしいって(あちこちで)言われてて、そうかな? 他の国が素晴らしいのと同じ程度に、日本も素晴らしいかもしれないけど。きょうも電車に乗っていたら、日本人の味覚は高度だってポスターがあって、それは日本人が好…

山田太一講演会 “きれぎれの追憶”レポート(1)

“夏の文学館 「歴史」を描く、「歴史」を語る”と題して、近代文学館の連続講演会が有楽町にて行われた。脚本家の山田太一先生の講演もあり、休みをとって聴講することに。

山田太一 × 三田佳子 × 嶋田親一 × 中村克史 トークショー レポート(3)

山田「(近年の脚本家軽視の流れを)憤慨しています(笑)。脚本家は自分の物語が書きたいからなったわけでしょう。小説家がマンガのノベライズを書けって言われているようなもので、20〜30代の大事な時期を賭けてるのに。しかもひとりっきりで、会社に入る…

山田太一 × 三田佳子 × 嶋田親一 × 中村克史 トークショー レポート(2)

山田太一脚本の『花の森台地』(1974)、『高原にいらっしゃい』(1976)、『緑の夢を見ませんか?』(1978)に、三田氏は出演した(『緑の夢』では主演)。 山田「『花の森台地』は、あのころ建て売りの住宅地が流行り出した。(建て売りが)売れないので、…

山田太一 × 三田佳子 × 嶋田親一 × 中村克史 トークショー レポート(1)

国会図書館にて、脚本アーカイブスのシンポジウムが行われて、脚本家の山田太一先生が参加。他に三田佳子、『6羽のかもめ』(1974)などの嶋田親一プロデューサー、NHKに在籍した演出家の中村克史の各氏が登壇した。司会は岡室美奈子・早稲田大学演劇博物館…

山田太一のアンケート(1997・2004・2011)

古雑誌を整理中に、敬愛する脚本家の山田太一先生がかつて答えたアンケートが出てきたので引用したい。 ひとつ目は、1997年にいまはなきテレビ誌「TeLePAL」(小学館)に載ったもので、他に数多のシナリオライター・演出家・プロデューサーが回答している。

山田太一 × 和田竜 トークショー レポート (4)

【演技について】 和田「山田さんの最近の作品を見まして、若い役者さんがみんな同じトーンで話すというか、何でこんなふうになってるんだろうと」

山田太一 × 和田竜 トークショー レポート (3)

【『岸辺のアルバム』(2)】 山田「シナリオ学校の先生方が言うようなリアリティにしびれることもあるでしょうけど、それじゃ物語の意味がないって人も当然いますね。それぞれに、いい作品と悪い作品がある。ほんの短いのでもずっと後に残っているとか。

山田太一 × 和田竜 トークショー レポート (2)

【和田竜と山田太一 (2)】 和田「バトルもので、テーマが両立している作品をつくりたいと。大学4年生でシナリオ講座に通って教わったんですが、映画は面白くしちゃいけない、面白いのは低俗で、波風のないものが高級と教えられた気がして。ぼくは『ターミネ…

山田太一 × 和田竜 トークショー レポート (1)

2月、脚本家の山田太一先生と、作家の和田竜氏の対談が神楽坂にて行われた。 テレビ『岸辺のアルバム』(1977)や『ふぞろいの林檎たち』シリーズ(1983〜1997)など当人曰く“片隅の話”を描く巨匠シナリオライターと、『のぼうの城』(小学館文庫)や『村上…

対談 山田太一 × 奥田英朗“総ての人が〈人生の主役〉になれるわけではない”(2004)(3)

奥田 でも山田さんが描く妻たちの反乱というのはあまり多くはみ出さないですよね。「事件を起こさない」ということを執筆上の縛りになさっているとか。 山田 なるべく、ね。犯罪物はやらない、事件をなるべく起こさずにおもしろいドラマを書くというようなこ…

対談 山田太一 × 奥田英朗“総ての人が〈人生の主役〉になれるわけではない”(2004)(2)

奥田 物語をつくる際、どこか他者の視点を入れることを心がけてらっしゃるんですか? 山田 そうですね。年代というものは人間をかなり規定している。ですから若い人たちの姿を描くのに、別の年代も同じくらいの水準で入れていかないと、主役である若者たちの…

対談 山田太一 × 奥田英朗“総ての人が〈人生の主役〉になれるわけではない”(2004)(1)

巨匠の作り手によくあるのが、ファンである後輩クリエイターが慕ってくる構図である。以下に引用する対談は、2004年に行われた脚本家・山田太一先生と、山田先生を敬愛する作家の奥田英朗氏による(「文芸ポスト」Vol.26〈小学館〉)。

山田太一 トークショー レポート・『今朝の秋』(3)

【過去の自作について (3)】 (『チロルの挽歌』〈1992〉)あのころはバブルで、高倉健さんでやらないかと言われて。新味を出すにはどうしようか、車両管理の(技術の)人だったのに北海道のテーマパークに派遣されちゃって、健さんは口をきかないから、みん…

山田太一 トークショー レポート・『今朝の秋』(2)

【過去の自作について (2)】 (『岸辺のアルバム』〈1977〉)外からはいいご家庭ですねって言われても、内部は壊れている。洪水も3.11も、日本では災害は多くあることなんですけど、それをドラマにした人はあまりいなかった。ある新聞社の人が小説書きません…

山田太一 トークショー レポート・『今朝の秋』(1)

ユーロスペースにて、脚本家の山田太一先生のトークショーがあり、代表作のひとつである『今朝の秋』(1987)が上映された。 蓼科でひとり暮らしの老人(笠智衆)。その息子(杉浦直樹)は、54歳にして死病に冒され、妻(倍賞美津子)とも冷え切っていた。

山田太一 × 中井貴一 × 堀川とんこう × 内山聖子 トークショー レポート・『時は立ちどまらない』(3)

【撮影現場のエピソード (2)】 山田「橋爪(功)さんと吉行(和子)さんの素晴らしいシーンで、吉行さんはバスで行かざるを得ない。吉行さんの表情、堀川さんの演出もよくて。 中井さんとギバさんのシーンは殴り合いとして書いたんですよ。アイルランドで撮…

山田太一 × 中井貴一 × 堀川とんこう × 内山聖子 トークショー レポート・『時は立ちどまらない』(2)

【企画とテーマ(2)】 山田「被害に遭わなかった家、中井さんの(役の)思いは私の思いでもあったんですね。何かをさせてくださいってあの気持ち、ぼくにもよく判るし、何かしないと気が収まらない。体育館とかが遠くなければ何か持っていったと思うけど。で…

山田太一 × 中井貴一 × 堀川とんこう × 内山聖子 トークショー レポート・『時は立ちどまらない』(1)

東日本大震災から3年を経た2014年、震災を描いたホームドラマ『時は立ちどまらない』が放送された。 震災と津波によって家や家族を喪った一家(柳葉敏郎、橋爪功、神木隆之介)と無事だった一家(中井貴一、樋口可南子、黒木メイサ、吉行和子)。両者の葛藤…

山田太一先生が元旦の新聞に登場

あけましておめでとうございます。誰も来ないような過疎ったブログにも、新しい年は訪れる…。 2015年元旦には、東京新聞、朝日新聞の2紙に脚本家の山田太一先生が登場した。前者では作家の赤坂真理氏との対談で、“戦後70年の幸福論”と題されている。後者では…

偶像(スター)へのレクイエム・『シャツの店』『チロルの挽歌』

昨2013年、脚本家の山田太一のインタビューにおける木村拓哉についてのコメントが、ちょっと話題を集めた。(http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2013/09/post_4464/) 山田は、木村が壁にぶつかっているように思われるとして、こう評する。

山田太一 トークショー “豊かに生きることの処方箋” レポート

10月に、脚本家の山田太一先生と写真家の鬼海弘雄さんのトークショーが行われた。 鬼海弘雄さんは、インドなどでも撮られているそうだが、浅草で見つけたさまざまな人物を、壁をバックに40年に渡って撮っている連作がある。そのシリーズが、今年『世間のひと…

“哀しみ”の演出家・深町幸男

演出家の深町幸男が逝去した。 深町は長年NHKに在籍し、向田邦子脚本『あ・うん』二部作(1980、81)と早坂暁脚本『夢千代日記』三部作(1981〜84)により知られている。その二者ほどの知名度はないかもしれないが、脚本家の山田太一とのコンビ作も多数で、…

山田太一講演会 “時は立ちどまらない” レポート(3)

【子育てについて (2)】 子どもといっしょに暮らしているだけで、すごく影響を与えてると思うんですよね。年上の男、年上の女がどういうものか、いるだけでどういう矛盾、どういう悪いところがあるか伝わってくる。夫婦で「死ね」とか罵り合ってても、1時間…

山田太一講演会 “時は立ちどまらない” レポート(2)

【生きるリアリティ (2)】 どっちか選ばないと、飢える、死ぬ、殺されるっていう社会だとほんとのことが見えてくる。でもそうでないと、どんどんリアリティがなくなってくる。たしかに夢を描ける装置のおかげで、どれだけ助かってるか判らない。でもぼくたち…

山田太一講演会 “時は立ちどまらない” レポート(1)

脚本家の山田太一先生の講演会へ足を運ぶ。“ゆっくり子育て講演会”という触れ込みだが、子育てなど終わっていそうなご年齢のお客さんが多かった。それゆえか、子育ての話も出たけれども、大半は時代の批評のようなお話であった。

山田太一 インタビュー(1993)・『春の一族』『丘の上の向日葵』(2)

【『丘の上の向日葵』(2)】 『丘の上の向日葵』は何度か、ほかの局の方もやらないかと言ってきて下さったんですが、なんか、しっくりしないところがあった。今度、堀川とんこうさん(プロデューサー)と話してて、とんこうさんとTBSのスタッフでやるのが一番…