私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

高橋洋 × 塩田明彦 トークショー レポート・『ザ・ミソジニー』(3)

【神秘とは何か】 塩田「「すべては神秘に始まり政治に終わる」っていう印象的な言葉についてはいかがですか?」

高橋洋 × 塩田明彦 トークショー レポート・『ザ・ミソジニー』(2)

【光の恐怖 (2)】

高橋洋 × 塩田明彦 トークショー レポート・『ザ・ミソジニー』(1)

劇作家(中原翔子)に、洋館に呼ばれた女優(河野知美)。彼女は劇作家の夫を略奪した過去があった。母を殺す役を演じるうちに女優はおそろしい疑惑にとりつかれていく。

ほんとうに家族はいいものかしら・『今朝の秋』(2)

『今朝の秋』(1987)は脚本の山田太一にとって愛着のある作品のようでトークイベントでも自薦の1作として挙げて「家族全員の心は通っていない。でも最期だから芝居を、家族団欒の芝居をしようと」「(ラストシーンの)笠さんと杉村さんも、心が通っていない…

ほんとうに家族はいいものかしら・『今朝の秋』(1)

前妻(杉村春子)に男と去って行かれ、蓼科にてひとりで暮らす80代の主人公(笠智衆)。彼のもとへ息子(杉浦直樹)の妻(倍賞美津子)が訪れ、息子ががんで余命わずかだと告げる。息子とその妻は不仲で家庭は冷え切っていた。

山田太一脚本 × 鶴田浩二主演『シャツの店』メイキングを振り返る(2)

『シャツの店』(1986)の主人公はあくまで時代遅れでコミカルで、たしかに『男たちの旅路』シリーズのように作者の意図を越えてヒーロー化してしまう懸念はなさそうではある。しかしそれでも鶴田浩二の目つきやたたずまいにはかっこよさを感じさせるものが…

山田太一脚本 × 鶴田浩二主演『シャツの店』メイキングを振り返る(1)

任侠映画などで存在感を放った名優・鶴田浩二。その鶴田の遺作になったのが山田太一脚本によるテレビ『シャツの店』(1986)である。筆者は幼いころからこの作品をくり返し見ており、その制作過程を改めて振り返ってみたい。

滝田洋二郎 × 竹村祐佳 × 螢雪次朗 × 池島ゆたか トークショー レポート・『痴漢電車 ちんちん発車』

故郷のしきたりのために結婚しなければならない主人公(竹村祐佳)は電車の中で出会った男(久保新二)に偽装結婚を依頼した。主人公のために雪の舞う新宿にマタギの許嫁(池島ゆたか)がトラクターで現れる。主人公の上司である探偵事務所の所長(螢雪次朗…

寺田農 × 原田光 トークショー “池袋趙遥 今も昔も” レポート(3)

【小熊秀雄との出会い(2)】 原田「昭和10年代になると戦争のほうへ引きずられていくんですね。だから小熊さんの文章も悲しげな調子なのかもしれません。戦争の機運を盛り上げていこうということで、帝展は大流行します。国が在野の団体からいい作家を引き…

寺田農 × 原田光 トークショー “池袋趙遥 今も昔も” レポート(2)

【池袋モンパルナスの誕生】 原田「絵描きたちがフランスに留学して研鑽しながら仲間意識も高めて、帰ってから1930年協会をつくる。その面々がパリで学んできたのはフォービズム。ひとつの表現主義で、ナイフを油絵に叩きつけてキャンバスに吐き出すという描…

寺田農 × 原田光 トークショー “池袋趙遥 今も昔も” レポート(1)

戦前戦中に若い画家や彫刻家、詩人などが集ったアトリエ村 “池袋モンパルナス”。その中には画家・寺田政明や詩人の小熊秀雄もいた。2022年12月に政明の子息である俳優・寺田農氏と岩手県立美術館の館長などを務めた美術評論家・原田光氏とのトークショーが行…

古谷敏 × 桜井浩子 × 稲垣涌三 × 田中敦子 × 小中和哉 トークショー(飯島敏宏追悼上映)レポート(5)

【『ウルトラマン』の想い出 (2)】

古谷敏 × 桜井浩子 × 稲垣涌三 × 田中敦子 × 小中和哉 トークショー(飯島敏宏追悼上映)レポート(4)

【『ウルトラマン』の想い出 (1)】 古谷「俳優になったらやりたいポーズのひとつで、ジェームス・ディーンの『理由なき反抗』(1955)のときの構えるポーズ。東宝の俳優になっていつかはやりたいと。ウルトラマン役でできた(笑)。(飯島監督にそのことは)…

古谷敏 × 桜井浩子 × 稲垣涌三 × 田中敦子 × 小中和哉 トークショー(飯島敏宏追悼上映)レポート(3)

【特撮現場の飯島監督(2)】 『ウルトラマン』(1966)の第5話「ミロガンダの秘密」では植物怪獣が登場。 古谷「初日は目が見えなくて、なかなか慣れないし。カメラも35ミリででかいし、照明も熱かったしねえ。(最初の相手は)グリーンモンスで(植物怪獣…

古谷敏 × 桜井浩子 × 稲垣涌三 × 田中敦子 × 小中和哉 トークショー(飯島敏宏追悼上映)レポート(2)

【『ウルトラマン』での飯島監督】 『ウルトラマン』にて飯島監督は第2・3・5話をまず撮っていて、その3本はシリーズのクランク・インで第1話よりも先に制作された。 桜井「『ウルトラマン』になると毒蝮(毒蝮三太夫)さんと小林(小林昭二)キャップはTBS…

古谷敏 × 桜井浩子 × 稲垣涌三 × 田中敦子 × 小中和哉 トークショー(飯島敏宏追悼上映)レポート(1)

『ウルトラQ』(1966)、『ウルトラマン』(1966)などで監督・脚本を務めた飯島敏宏。2021年に逝去した飯島氏を追悼する上映とトークイベントが2021年12月に鶴川にて行われた。

早川千絵 トークショー レポート・『PLAN 75』(2)

【登場人物たち (2)】 『PLAN 75』(2022)では、関連施設に勤める介護士役のステファニー・アリアン氏はフィリピン人。

早川千絵 トークショー レポート・『PLAN 75』(1)

75歳以上の高齢者が死を選択できる制度“プラン75”が実施された世界。ホテルの清掃の仕事を解雇された主人公(倍賞千恵子)は、プラン75の申請を考えるようになる。プラン75コールセンターのスタッフ(河合優実)は、主人公にお金をもらったりしながら揺れ動…

岸部一徳 × 犬童一心 × 尾形敏朗 トークショー レポート・『病院で死ぬということ』(3)

【実景を入れる構成 (2)】

岸部一徳 × 犬童一心 × 尾形敏朗 トークショー レポート・『病院で死ぬということ』(2)

【『病院で死ぬということ』の起用】 岸部「(『病院で死ぬということ』〈1993〉のキャスティングで)細かいことはあまり覚えてないんですけど、原作を読んで泣いた記憶はあるんですよ。それで監督から言われたのは、カメラはフィックスで撮っていくからアッ…

岸部一徳 × 犬童一心 × 尾形敏朗 トークショー レポート・『病院で死ぬということ』(1)

がん告知を受けた患者たちは老夫婦(山内明、橋本妙)や働き盛りの男性(塩野谷正幸)など、さまざまな人びとがいる。医師(岸部一徳)は患者や家族たちと静かに語らう。

『ふぞろいの林檎たちⅤ/男たちの旅路〈オートバイ〉 山田太一未発表シナリオ集』が刊行

脚本家・作家の山田太一先生の未発表作品を集めた『ふぞろいの林檎たちⅤ/男たちの旅路〈オートバイ〉 山田太一未発表シナリオ集』(国書刊行会)が10月20日に発売されます。収録内容は『ふぞろいの林檎たちⅤ』『男たちの旅路 オートバイ』『今は港にいる二…

森本レオ インタビュー “森本レオの場合”(2014)(2)

森本:ロバのそばのアズ・スーン・アズというライブ・ジャズ・スナックがあって、小銭が貯まると菅野沖彦さんや本田竹彦さん達を聴きに行ってた。そこで、若き日の村上春樹さんが、ボーイさんをやってたんだって。俺、もしかしたら春樹さんにカレーライス運んで…

森本レオ インタビュー “森本レオの場合”(2014)(1)

映画『青春の蹉跌』(1974)や『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987)、テレビ『人形劇 三国志』(1982)や『人形歴史スペクタクル 平家物語』(1993)の声の出演、『きかんしゃトーマス』(1984)のナレーションなど多彩な仕事で知られる森本レオは長年、高…

金襴緞子の帯しめながら・佐高信と田原総一朗

もとは盟友関係でやがて非難し合い、いまはまた共著を出したりするようになった佐高信と田原総一朗。ふたりには冠婚葬祭をめぐる共通点がある。

切通理作 インタビュー “クリエイティブな世界では和光の評判はおおむね高い。群れないけれど、力は発揮する卒業生がいたるところにいる”(2005)(2)

切通:当時和光では部活として作っていた学生新聞がちょうど休刊していて、そういうものをもっと軽くゲリラ的にできないかと思い、ちょっとした学内の面白いネタなどが集まったらすぐに作って、印刷などもいちいちしていると面倒くさいし時間がかかるので、…

切通理作 インタビュー “クリエイティブな世界では和光の評判はおおむね高い。群れないけれど、力は発揮する卒業生がいたるところにいる”(2005)(1)

映画・ドラマなど多彩な批評活動を行い、映画『青春夜話 Amazing Place』(2017)の脚本・監督や古書店・ネオ書房の運営などもしている批評家・切通理作。2005年7月に和光大学のサイトに掲載された切通氏のインタビューを以下に引用したい。

実相寺昭雄 メモリアルコンサート2022 “陰影礼讃、夢中遊行” レポート

昨年11月、池袋の自由学園にて “実相寺昭雄メモリアルコンサート2022 陰影礼讃、夢中遊行” が行われた。この自由学園明日香講堂は重要文化財だという。

佐藤公美 × 金原由佳 トークショー レポート・『シェイディー・グローヴ』(2)

【青山監督のキャリア初期 (2)】 金原「佐藤さんは、青山(青山真治)作品では『Helpless』(1996)では記録・衣裳、その次の『WiLd LIFe』(1997)は脚本・記録として現場に入られています。

佐藤公美 × 金原由佳 トークショー レポート・『シェイディー・グローヴ』(1)

恋人(関口知宏)に別の女性に乗り換えられてふられた主人公(粟田麗)は、酔ってかけた電話で映画配給会社に務める男性(井浦新)と知り合った。その彼を翻弄しながら、主人公はかつての恋人にストーカー的な行動を繰りかえす。