私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

山田太一 インタビュー「人間に大事なものは論理より思想より、存在。」(1994)(2)

 相手の身になるといっても、例えば兄弟でもお父さんでもお母さんでもいいんですけれども、おなかが痛いと言ったとしますね。ああ、痛いんだろうなというふうに思うことはできるけれども、自分も痛くなるわけにはいきません。相手の身にすっかりなることはできません。だから理解というものには当然限界がある。どこまでいったって、完全に理解することはできません。ですから他人を理解しよう理解しようと思いながら生きていると、ああ、いつも私は至らない、理解できないっていうふうに、壁にぶつかってしまうわけですね。

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山田太一 インタビュー「人間に大事なものは論理より思想より、存在。」(1994)(1)

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 新課程用『新編国語Ⅰ』(筑摩書房)に脚本家・山田太一氏の「ふぞろいの林檎たちへ」が収録されている。その教科書に準拠したカセットテープが制作され、山田氏が高校生に向けて話している。

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山田太一「向田作品のきらめき」(1981)

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 1981年から82年にかけて『向田邦子TV作品集』(大和書房)が刊行された(『阿修羅のごとく』『幸福』『冬の運動会』『家族熱』『蛇蝎のごとく』)。

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