私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

竹下景子 × 森本レオ × 堀川とんこう × 工藤英博 × 鈴木嘉一 トークショー “制作者が読み解く市川森一の魅力” レポート・モモ子シリーズ『十二年間の嘘 乳と蜜の流れる地よ』(4)

【『傷だらけの天使』(3)】

工藤「市川さんはハッピーエンドのホームドラマは書かないと言われて。『傷だらけの天使』(1974)の最終回で水谷豊を殺すのも、刺されて死ぬのはかっこいい。風邪こじらせて肺炎で死ぬというのがみっともない。それが市川流。祭りだと言ってて、終わった翌日は綺麗さっぱりなくなる。情けなく死んで夢の島に棄てる、儚く消えるっていうのが真骨頂ですね」

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竹下景子 × 森本レオ × 堀川とんこう × 工藤英博 × 鈴木嘉一 トークショー “制作者が読み解く市川森一の魅力” レポート・『黄色い涙』『傷だらけの天使』(2)

【『黄色い涙』(2)】

森本「市川さんの中ではフェリーニがどっかにあって、渾身の代表作だとぼくは思ってます。森さんと言ってたのは、役者じゃなくエピソードとしていようとっていうことです。エピソードが触れ合っていくのが面白い。エピソードが寄り添い、やがて遠くへアウトしていく。凝縮された人生そのものではないかと」

鈴木「全員失恋で終わりますね」

森本「森さんは、人の恋が実るのは悔しいって(笑)。破れるのがドラマだっておっしゃってたんで、そういうのがあったんでしょうね」

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竹下景子 × 森本レオ × 堀川とんこう × 工藤英博 × 鈴木嘉一 トークショー “制作者が読み解く市川森一の魅力” レポート・『黄色い涙』 (1)

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 大河ドラマ黄金の日日』(1978)や『花の乱』(1994)、『淋しいのはお前だけじゃない』(1982)などで知られた巨匠脚本家・市川森一。その市川を回顧するシンポジウムが4月に2日連続で行われた。

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