私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

山田太一 インタビュー“よき相互依存っていうのかな。人間、一人じゃなんにもできないんですよ”(1985)(6)

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山田太一 インタビュー“よき相互依存っていうのかな。人間、一人じゃなんにもできないんですよ”(1985)(5)

山田そのうち、映画もだんだん厳しくなってきて色々なことがあって。なんか脚本家になったほうが自分を自由に表現できるんじゃないかって思い始めたのね。もちろん外的事情もいろいろあって、それで七年間いて辞めちゃったんです。辞めてからはもうずっと、辞める前から脚本書いてたからね。実に自然な感じでね。悲壮な感じで辞めたりしたわけでもなんでもないしね。なんかぼこっと辞めてぼこっと翌日から脚本家だったって感じでしたね。

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山田太一 インタビュー“よき相互依存っていうのかな。人間、一人じゃなんにもできないんですよ”(1985)(4)

山田一つ一つのシーンはチャーミングでね、面白いと思って見てるんだけど、よく考えると別に何のストーリーもなかったなっていうのが、僕の理想なんですよ。あとは現実の味わいをね、例えば恋人と二人で歩いてたりするときに楽しいっていう気がするとか、ああいう恰好でキスしたら素敵だなと思うのと同じような、そういう楽しさがあるのがいいって思うんだ。人と話してるときの優しさであるとか、意地悪さであるとか、ああこういう方が魅力的だなって思うとか、見ている人が、そういうことを細かく見ることができるようになる、それがドラマの素敵さだと思うんだ。

(中略)

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山田太一 インタビュー“よき相互依存っていうのかな。人間、一人じゃなんにもできないんですよ”(1985)(3)

山田そりゃ(完成作品は)僕が考えていた最初のシナリオとはね、いかにそうやって俳優さん選んだって、色々したって、違うわけですよ。演出家が違うわけですから。その違いがマイナスの違いだって感じたときはね、怒ったり、議論したりする。そういうことを何度も何度も演出家やプロデューサーとやっているうちに、両方の気持ちもわかってきてね、あんまりもめたりしなくなってくるもんですよ。

(中略)

 (組むスタッフが)決まってきちゃうんだな、割合ね。僕はTBSとNHKが多いんだけど、うーん、決まってくるね。最初やって全然合わないと喧嘩しちゃうでしょう。二度とやるもんかって両方で言い合って、というふうになっちゃうでしょう。でも、そうじゃなく「またやりましょう」って気に両方でなっているからこそつながっていくわけでしょう。だから悪いことじゃないと思ってますけれどね。ただ、そうすると新しい個性っていうものと、ぶつかるチャンスがなくなってくるわけね。TBSで仕事するとなると、今までの人を無視して他の人とやるっていうのは、ちょっと言いにくいとかね。で、その人たちが素敵じゃなければ言えるけど、その人たちが素敵だからね。そのへんは、だからまぁ、難しいところだね。

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山田太一 インタビュー“よき相互依存っていうのかな。人間、一人じゃなんにもできないんですよ”(1985)(2)

山田「(『ふぞろいの林檎たち』〈1983〉では)じゃそれには誰がいいだろうかって。そういう試みは今までなかったですよね。既成のある一曲を使うってことは、僕も今までに何度もやってきてるけど。それで、サザンサザンオールスターズがいいんじゃないかっていう話に、だんだんなってきたのね。で、みんなでサザンの曲を何度も何度も聴いたんですよ。ドラマの中に流すには歌が入っているってことは欠点なんですよね。つまりセリフをしゃべってるときに歌が流れたら、何が何だかわからなくなってしまいますでしょう。だけどサザンは、よく意味がわかんないように歌うでしょう(笑)。とってもいい歌詞なんだけどね。歌詞だけ読むと、とても素敵なんだけど、意味がちょっとわからないように歌ってるから、邪魔にならないだろうって。他の人のは、みんな意味がわかっちゃうのね、ユーミンでも、誰でも。意味がわかっちゃうと、ドラマの中にその意味がすごくついちゃうでしょう。

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