私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

リリー・フランキー × 塚本晋也 トークショー(甦る映画魂 The Legend of 石井輝男)レポート・『盲獣vs一寸法師』(1)

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 『網走番外地』シリーズ(1965〜1967)、『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(1967)などアクションやサイコ系の映画を多数手がけた石井輝男監督。晩年は『ゲンセンカン主人』(1993)や『ねじ式』(1998)といったインディペンデント作品を撮り、遺作は乱歩原作の2本を組み合わせた『盲獣vs一寸法師』(2004)であった。

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野呂圭介 × 葛生雅美 × 岡田裕 トークショー(映画監督 鈴木清順の世界)レポート・『踏みはずした春』(3)

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【清順の人物像】

野呂「葬儀で弟の健二(鈴木健二)さんおっしゃってて、頭いい人だったと。でもひとことも言わない。小学校では神童って言われた。東京で十指に入るくらい。そんな人が考えるんだから(『関東無宿』〈1963〉で)赤くなったぐらいでびっくりしちゃいけませんよ(一同笑)」

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野呂圭介 × 葛生雅美 × 岡田裕 トークショー(映画監督 鈴木清順の世界)レポート・『踏みはずした春』(2)

【清順演出について (2)】

葛生「『関東無宿』(1963)で真っ赤になるところは、B班の撮影から帰ってきたらステージのあの部屋があって、やたらに美術(スタッフ)があっちこっちに。手が足りないから照明も手伝って、障子に細工して何やってんだと思った。台本にないし。(本番で)バーンと倒れて、びっくりしましたね」

岡田「計算されてるね。鈴木さんはすっごく考える。撮影中は夜も寝なかった」

葛生「撮影中は布団に入らない。突っ伏して寝て」

野呂「俳優泣かせですよ。寝ないで考えて、台詞を変えちゃう。(台本の)号外がいつも回って、覚えるの大変。だから寝てください、と。トイレで考えるって言うから、トイレも入らないでください(一同笑)」

葛生「監督が台本直すの当たり前のことで、いまはシナリオライターが怒るけど。きのうの台詞がきょうは全然変わってるというのは、しょっちゅうありました」

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